データウェアハウス・データレイク・レイクハウスの違いとは

データウェアハウス・データレイク・レイクハウスの違いとは

データの保存先の違いに混乱するDP-900受験者
「ウェアハウスとレイク、何が違う?」
「レイクハウスという言葉も出てきて混乱…」
「DP-900では、どう問われる?」

名前が似ていて、しかも3つあると混ざります。ですが、分かれ目はたった1つ、「ためる前に整えるか、生のままためるか」です。ここを軸にすれば、選び方まで一本につながります。

データウェアハウスは整えた構造化データの分析庫、データレイクは生データの大量保管庫、レイクハウスは両者を統合した形です。扱うデータの形と、整える時点が違います。

 

この記事では、3つの中身を1つずつ押さえ、どれを選ぶかを判断フローで示し、DP-900(Azure Data Fundamentals)での問われ方まで整理します。分析ワークロードの得点源に直結します。

 

1. 3つは「整えてためる・生でためる・両取り」で分かれる

3つの保存先の違いを俯瞰するイメージ

まず全体像です。3つの違いは、たった1つの問いで整理できます。「データを、ためる前に整えるか。それとも生のままためて、使うときに整えるか」。この分かれ目が、そのまま用途の違いになります。

 

整えてからためるのがデータウェアハウス、生のままためるのがデータレイク、その両方の良さを1つの土台でまかなうのがレイクハウス。順に見ていくと、それぞれの得意分野がはっきりします。ためる前の加工方式そのものは OLTPとOLAPとは の処理の話とあわせて押さえると、分析向けの土台が立体的になります。

 

キーワードは「スキーマオンライト」と「スキーマオンリード」の2語です。前者はためる前(write時)に構造を決める方式、後者は読むとき(read時)に構造を解釈する方式。あなたがこの2語を区別できれば、3つの違いは半分つかめたも同然です。

 

2. データウェアハウス:ためる前に整える

構造化データを整えて分析向けにためるイメージ

データウェアハウス(DWH)は、複数のシステムから集めたデータを、表(テーブル)のような決まった構造に整えてためる仕組みです。特徴は、ためる前に形を決めるスキーマオンライト。入れる段階で構造をそろえるので、後からの集計や分析が速くなります。

 

向くのは、レポート・BI(経営の意思決定支援)・ダッシュボードです。売上や在庫のように形が定まったデータを、決まった問いで繰り返し分析する場面で力を発揮します。あなたが「毎月同じ切り口でレポートを出したい」なら、DWHが本命です。扱うのは、行と列にきれいに収まる 構造化・半構造化・非構造化データとは の「構造化データ」が中心です。

 

DWHの要点は、整えてからためるので、集計が速いという一点です。あらかじめ形をそろえておくぶん、入れる手間はかかりますが、あなたが繰り返し同じ分析をするなら、そのひと手間が毎回の速さで返ってきます。「先に整える投資」と考えると腑に落ちます。

 

3. データレイク:生のまま大量にためる

あらゆる形式の生データを大量にためるイメージ

データレイクは、データを元の生の形式のまま、大量にためておく保管庫です。表のような構造化データだけでなく、JSONやログのような半構造化データ、画像・音声・動画のような非構造化データも、そのまま受け入れます。読み出すときに形を解釈するスキーマオンリードが特徴です。

 

とりあえずためておき、必要になったら整える。この柔軟さから、大量データの分析や機械学習の土台に向きます。Azureでレイクの保存層を担う代表が Azure Blob Storageとは です。あなたが「形はバラバラだけど、まず全部貯めておきたい」なら、レイクが答えになります。

 

注意点が1つ。整えずにためる自由さの裏返しで、管理を怠ると「何がどこにあるか分からない」状態に陥ります。俗に「データの沼」と呼ばれる状態です。あなたがレイクを使うなら、何をどこに置いたかを記録する整理の仕組みを、最初から併せて考えてください。

 

4. どれを選ぶか、判断フローで決める

データの形と用途から保存先を選ぶ分岐のイメージ

3つ目のレイクハウスは、その名のとおりレイクとDWHの良いところを1つにした形です。データレイクの上に、DWHのような構造化した問い合わせの仕組みを重ねます。Microsoft Fabricでは、テナントごとの単一データレイク「OneLake」の上でレイクハウスが動きます。では、目の前の案件でどれを選ぶか。次のフローで見分けます。

 

データの形は最初から決まっている? はい・BI中心→ ウェアハウス いいえ・ML中心→ レイク 両方を1基盤で→ レイクハウス

 

実務でも選び順は同じです。フォーマットが固まっていて分析の問いも見えているならDWHから入り、形がバラバラでまず貯めて後から考えたいならレイクを土台にする。両方の要求が同居するならレイクハウスでまとめる。あなたが迷ったら、まず「データの形が決まっているか」を最初に確かめてください。統合基盤としてのレイクハウスを支える代表が Microsoft Fabricとは です。

 

観点 データウェアハウス データレイク
ためる形 整えた構造化データ 生データ(構造化〜非構造化)
整える時点 ためる前(オンライト) 読むとき(オンリード)
得意な用途 レポート・BI 大量データ・機械学習

 

5. DP-900での問われ方

DP-900の分析ワークロード分野での出題角度のイメージ

この3つは、DP-900の「分析ワークロード」の領域で問われます。定番は「構造化データを整えてためるのはどれか」「生データを大量にためるのはどれか」という、用途と仕組みを結びつける問いです。

 

対策の軸は、この記事の分かれ道です。整えてためるDWH、生でためるレイク、両取りのレイクハウス。スキーマオンライトとオンリードの2語をセットで持っておけば、選択肢を素早く絞れます。あなたが「データの形と、いつ整えるか」で考える癖をつければ、用途を問う応用問題にも対応できます。

 

迷ったときの一言だけ持ち帰ってください。「形が決まっていて分析の問いも見えているならDWH、形がバラバラでまず貯めたいならレイク」。この対比さえ言えれば、DP-900の用途問題は多くがほどけます。レイクハウスは「その両方を1つで」と足せば十分です。

 

次のステップ

この3つがDP-900全体のどこに位置し、他の概念とどうつながるかは、DP-900の試験範囲と勉強の進め方ガイド でひと通り把握できます。

理解を得点に変えたいなら、DP-900 分析ワークロードの問題集 で、保存先の使い分けを問う設問に取り組むのが近道です。