「リアルタイム処理って、どういう意味?」
「DP-900 でどう問われるのか知りたい」
同じデータでも、「ためてから一気に」処理するか、「届いたそばから」処理するか。この処理のタイミングの違いが、2つの方式を分けます。
バッチ処理はデータをためて一括で処理する方式、ストリーム処理は届くたびに逐次処理する方式です。どちらが上ではなく、目的で選ぶものです。
以下では、まず2つの違いを押さえ、初心者がはまりやすい3つの誤解をほどき、遅延と範囲で対応表に整理します。最後に、DP-900 での問われ方と選び方まで見ていきます。Azure のデータ分野にそのまま効きます。
1. 2つは「いつ処理するか」で分かれる

バッチ処理は、一定量のデータをためてからまとめて一括で処理します。夜間にその日の売上を集計する、といった決まったタイミングで動かす形が典型です。一方のストリーム処理は、データが届くたびに少しずつ処理します。前回から増えた新しいデータだけを、低遅延で扱うのが持ち味です。
言い換えると、バッチは「区切りのよいタイミングでまとめて振り返る」処理、ストリームは「起きたことに即座に反応する」処理です。あなたが2つを区別する軸は、データを「ためてから見る」か「流れる先から見る」か。この視点さえ持てば、細かい用語に迷いません。「ためて分析する」処理と「その場で記録する」処理の土台は OLTPとOLAPとは で押さえておくと、この章の理解がつながります。
2. よくある3つの誤解をほどく

この2つは、初心者がイメージだけで誤解しがちです。あなたが引っかかりやすい3つを、先にほどいておきます。
誤解1「リアルタイム(ストリーム)がいつも優れている」。速さがいつも正義とは限りません。1日分の売上をまとめて集計するだけなら、ためて一括のバッチの方が仕組みが素直で、運用も安く済みます。無理にストリームにすると、かえって作りが複雑になります。誤解2「バッチは時代遅れ」。これも違います。月次の請求計算や夜間の大量集計は、今もバッチが主役です。大量データを一度に処理する効率のよさは、バッチならではの強みです。誤解3「どちらか一方を選ぶ」。実際の分析基盤は、両方を併用するのが一般的。あなたのシステムでも、入口をストリームで受けて、集計をバッチで回す、という組み合わせがよく使われます。入口の性質で使い分け、同じ基盤の中に同居させます。
3. 遅延・範囲・向くデータで並べる

2つの違いを、判断に使える形で表にしました。見るべきは遅延(結果が出るまでの時間)と処理する範囲の2点です。
| 観点 | バッチ処理 | ストリーム処理 |
|---|---|---|
| 処理のタイミング | ためてまとめて一括 | 届くたびに逐次 |
| 遅延の目安 | 時間〜分 | 分〜秒・ミリ秒 |
| 処理する範囲 | その時点の全データ | 主に新しいデータ |
| 向くデータ | 大量データの定期集計 | 絶え間なく届くデータ |
遅延を見ると、バッチは時間や分の単位を想定するのに対し、ストリームは分・秒・ミリ秒の短さにも対応できます。範囲も違い、バッチはその時点のデータをまとめて処理し直すのに対し、ストリームは前回以降に増えた分だけを扱います。あなたが迷ったら、この2軸のどちらが要件に効くかで見当がつきます。
4. どう選ぶか — 具体例と判断

選び方の物差しは1つ、「すぐ結果が要るか」です。多少遅れても困らない大量集計はバッチ、その場で反応したい連続データはストリーム。具体例で振り分けてみましょう。
- バッチが向く: ECサイトの売上を1時間ごとに集計/クレジットの月次請求計算/夜間のデータ集計
- ストリームが向く: IoTセンサーの計測値監視/アプリのログを流れ込むそばから集計/不正検知でその場の異変に気づく
5. Azureの分析基盤とDP-900での問われ方

Azure の分析基盤では、バッチとストリームの両方が扱われます。取り込みから分析までを1つにまとめた基盤には、まとめて集計するワークロードと、流れ込むデータをその場で分析するリアルタイム分析のワークロードが用意されています。全体像は Microsoft Fabricとは で、2つの方式がどこに位置づくかを押さえられます。
両方式を同じ環境で扱える基盤の代表が Azure Databricks で、バッチもストリームも一つの土台でまかなえます。詳しくは Azure Databricksとは で押さえられます。処理したデータは分析向けの保存先にため、後からまとめて活用する——バッチとストリームは、その保存先へデータを送り込む「入口の方式」だと捉えると位置づけがはっきりします。
DP-900 では、この2方式は分析ワークロードの領域で問われます。あなたが得点するには、「ためて一括がバッチ、届くたび逐次がストリーム」という違いに加え、遅延や向く場面の対比を押さえておくことです。要件文の中の「リアルタイム」「即時」という語に反応できると、ストリームを選ぶ判断が速くなります。
次のステップ
バッチとストリームが DP-900 のどこで出るかは、DP-900の試験範囲と勉強法ガイド で範囲を見ておくと、学習の順番が定まります。
問題で確かめるなら、DP-900 分析ワークロードの問題集 で、2方式の対比を問う設問に当たっておくのが近道です。