SWOT分析とPPMとは?経営分析の基礎をやさしく解説

SWOT分析とPPMとは?経営分析の基礎をやさしく解説

SWOTとPPMの違いを整理しようと考えるビジネスパーソンのイメージ
「SWOT分析って何を整理する手法?」
「PPMとSWOT、何が違うの?」
「経営分析、どれから覚えれば?」

同じ経営分析でも、SWOTは会社の全体像を1枚で見渡す道具、PPMは複数の事業を1つずつ品定めする道具です。見ている対象が、そもそも違います。

SWOT分析とPPMとは、自社の現状把握と事業の優先順位付けを担う経営分析の代表手法です。SWOTは4象限で自社を整理し、PPMは2軸で事業群を分類します。

 

この記事では、SWOTとPPMそれぞれの4象限を対応表で押さえ、両者を「対象」と「目的」で選び分ける判定を示します。最後に試験での問われ方まで示します。基本情報 ストラテジ系の経営戦略対策に効きます。

 

1. 全体を見るSWOT、個別を見るPPM

経営分析が限りある資源の集中先を決める土台になることを示すイメージ

会社が使える人・モノ・お金・情報には限りがあります。だからこそ、どこに集中させるかを判断する根拠が要ります。経営分析は、その根拠を作る共通言語です。SWOTとPPMは、その中でも役割がはっきり分かれています。

 

たとえるなら、写真の撮り方です。広角レンズで会社全体を1枚に収めるのがSWOT、ズームで1つの事業に寄って品定めするのがPPM。どちらも同じ被写体を撮りますが、引くか寄るかで見えるものが変わります。両方を撮って初めて、会社の姿が立体的に見えてきます。

 

あなたが押さえたいのは、この2つが競合ではなく役割分担だということです。SWOTで全体の見取り図を描き、PPMで事業ごとの扱いを決める。どちらが優れているかではなく、見たいものに合わせて使い分ける道具だと捉えてください。上位概念として経営戦略の全体像は 経営戦略とは で押さえられます。

 

2. SWOT分析の4象限(強み・弱み・機会・脅威)

SWOTの4象限で自社と環境を仕分けるイメージ

自社の現状を1枚で整理したいときに広く使われるのがSWOT分析です。4つの観点で自社と環境を仕分けます。対応表で押さえてください。

 

要素 意味 内部/外部
S(強み) 自社が持つ得意な要素 内部要因
W(弱み) 自社が抱える苦手な要素 内部要因
O(機会) 外部環境で追い風となる要素 外部要因
T(脅威) 外部環境で逆風となる要素 外部要因

 

大きな特徴は、内部要因(S・W)と外部要因(O・T)を1枚で見渡せることです。社内の事情だけでも、外部環境だけでもなく、両方を同じ土俵に並べられます。あなたが新サービスを検討するなら、「強みを機会に当てに行く」ように4象限を組み合わせて打ち手を考えます。逆に、弱みと脅威が重なる領域は撤退・縮小の判断材料になります。

 

SWOTを発展させた「クロスSWOT」という進め方もあります。4象限を掛け合わせて戦略案を導く手法です。深入りは避けますが、SWOTの続編として知っておくと役立ちます。まずは完璧を狙わず、思いつきでも紙1枚に書き出すところから始めるのが上達の近道です。

 

3. PPMの4象限(花形・問題児・金のなる木・負け犬)

PPMで事業群を市場成長率とシェアの2軸に配置するイメージ

複数の事業を持つ会社の全体像を整理するときに使うのがPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。市場成長率と市場シェアの2軸で事業を配置します。BCGマトリクスとも呼ばれます。

 

区分 市場成長率 市場シェア 扱い
花形 高い 高い 拡大投資で伸ばす
問題児 高い 低い 投資判断が分かれる
金のなる木 低い 高い 安定収益の源
負け犬 低い 低い 撤退・縮小の検討

 

大きな狙いは、会社全体の事業群を一望し、限りある資源をどこへ振り分けるかを判断することです。たとえば、金のなる木で得た利益を花形や問題児に投資する、という全体最適の流れが描けます。あなたが押さえておきたいのは、花形・問題児・金のなる木・負け犬という4つの名称と位置の対応です。ここが試験用語としてそのまま出ます。

 

4つの名前は、覚え方にコツがあります。成長率が「今の勢い」、シェアが「今の稼ぐ力」と読み替えると、位置が腑に落ちます。勢いも稼ぐ力もあるのが花形、勢いはあるが稼げていないのが問題児、勢いは落ちたが稼いでいるのが金のなる木、どちらも乏しいのが負け犬。あなたが2軸の意味を先に押さえれば、名称を丸暗記しなくても位置を導けます。

 

4. どちらを使うか、対象と目的で決める

SWOTとPPMを対象と目的で選び分けるイメージ

2つの違いに迷ったら、「対象」と「目的」が違うと押さえます。SWOTは会社や1事業の現状把握に向き、社内外の状況を1枚で見渡して打ち手のヒントを集める入口です。PPMは複数事業を持つ会社の資源配分に向き、どの事業を伸ばしどこから資金を引くかを全体最適で考える段階で使います。

 

実務では、両者を順番に併用します。SWOTで現状の見取り図を作り、PPMで事業群の優先順位を決める。この流れが自然です。あなたが順序を逆にして、いきなりPPMから入ると、そもそも自社の強みや外部環境が見えていないため、事業の配置の根拠が薄くなります。まず全体を描いてから個別に寄る——この順番自体が、分析の質を左右します。

 

どちらも万能ではありません。SWOTは仕分けが主観に寄りやすく、書く人によって強み・弱みの判断がぶれます。PPMは市場成長率とシェアの2軸だけを見るため、競争相手の動きや技術の変化までは捉えきれません。だからこそ、他のフレームと組み合わせて弱点を補うのが現実的です。分析で見えた打ち手を市場へ届ける施策は マーケティングミックスとは で、ストラテジ系の法務は 知的財産権とは で深掘りできます。

 

選び分けの軸は「見たいものが全体か、個別の事業か」です。会社の現状を1枚で描きたいならSWOT、事業ごとの投資の重み付けをしたいならPPM。あなたがこの一問を自分に投げれば、どちらの手法を出すかで迷いません。

 

5. 試験での問われ方

SWOTとPPMが試験でどう問われるかを整理するイメージ

基本情報のストラテジ系では、SWOTとPPMは経営戦略の中核として出題されます。あなたが押さえる骨格を、最後にまとめます。

 

押さえる骨格は3つです。①SWOTは強み・弱み・機会・脅威の4象限で自社を整理、②PPMは市場成長率と市場シェアの2軸で事業群を花形・問題児・金のなる木・負け犬に分類、③現状把握はSWOT、事業の優先順位付けはPPM。試験では「この分析手法の名称はどれか」「4象限のこの区分はどれか」という設問が定番です。4象限の名称と位置を結びつけて覚えると、関連用語の整理が一気に進みます。SWOTとPPMのどちらの手法かを取り違えないことも、あわせて押さえておきましょう。

 

次のステップ

SWOTとPPMが試験全体でどう問われるかを俯瞰したいなら、基本情報技術者試験の試験範囲と勉強法ガイド でストラテジ系のどこに位置づくかを見ておくと、用語が整理しやすくなります。

覚えたフレームを得点に変えるなら、基本情報技術者 ストラテジ系の問題集 で、経営分析を問う設問を解いて、定着させましょう。