G検定のシラバス全分野(人工知能とは・動向/機械学習/ディープラーニング基礎・応用/数理・統計/AIの法律・倫理)を横断した総合模擬試験40問です。本番形式で実力をチェックしましょう。解けなかった問題は、各問の解説末尾のリンクから対応する解説記事に進んでください。
Q1. 人工知能(AI)の定義について、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
人工知能(AI)には研究者の間でも統一された明確な定義がなく、人間の知的なふるまいをコンピュータで再現しようとする技術や研究分野を広く指す言葉として使われています。「知能」そのものの定義が定まっていないことが理由とされます。
A は意識や感情を必須とする点で狭すぎ、B は実際には統一定義が存在しないため誤り、D は決められた計算だけを行うプログラムの説明で、AIが目指す状況に応じた判断とは異なります。
Q2. 第3次AIブームを支えた中心的な技術として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
2010年代以降の第3次AIブームは、大量のデータと計算資源を背景にしたディープラーニング(深層学習)の画像認識などでの飛躍が原動力になりました。
B は第2次ブームの中心技術、C は第1次ブームの探索・推論にあたります。D はAIの技術ではないため、いずれも第3次ブームの中心とは異なります。
Q3. 「シンギュラリティ(技術的特異点)」という言葉の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、AIが人間の知能を大きく超え、社会のあり方が後戻りできないほど大きく変わるとされる時点を指す考え方で、発明家のレイ・カーツワイルらが提唱しました。あくまで将来予測として議論されており、到来時期や是非には諸説あります。
A はデータ不足による頭打ち、B は研究資金が途絶える「AIの冬」、C は計算上の例外を指す説明で、いずれもシンギュラリティとは別の話です。
Q4. 「強いAI」と「弱いAI」という区別についての説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
哲学者ジョン・サールが示した区別で、強いAIは人間のような意識や心そのものを持ちうるAIを、弱いAIは意識は持たず特定の作業をこなす道具としてのAIを指します。現在実用化されているAIは、いずれも弱いAIに位置づけられます。
A の計算速度、C の有料か無料か、D の動作場所は、いずれもこの区別の基準ではないため誤りです。
Q5. AIにおける「フレーム問題」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
フレーム問題は、AIがある行動を考えるとき、その行動に関係する事柄が無数に存在するため、今考えるべき範囲だけをうまく絞り込むのが難しいという、AIの本質的な難問です。人間は無意識に関係なさそうなことを切り捨てられますが、それを機械にやらせるのは簡単ではありません。
B の画像認識、C の動画処理、D の通信は、いずれも「フレーム」という言葉だけが共通する別の話で、フレーム問題の内容とは関係ありません。
Q6. 正解ラベルのないデータから、似たものどうしをグループに分ける手法が分類される学習として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
教師なし学習は、正解ラベルのないデータからデータ自体の構造や規則性を見つけ出す学習です。似たものどうしをまとめるクラスタリングや、次元削減が代表例です。
A の教師あり学習は正解ラベル付きデータで学習する手法、B の強化学習は報酬を手がかりに試行錯誤で学ぶ手法、C の転移学習は既存モデルの知識を別タスクに活用する手法であり、ラベルなしのグループ分けは教師なし学習にあたります。
Q7. エージェントが環境の中で試行錯誤し、得られる報酬を最大化するように行動を学習する手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
強化学習は、エージェントが環境の中で行動し、その結果として得られる報酬を手がかりに、長期的な報酬が最大になる行動方針を試行錯誤しながら学習する手法です。囲碁AIやロボット制御などで使われます。自転車の練習のように、失敗を重ねながらコツをつかむイメージに近いものです。
A はラベル付きデータ、C はラベルなしデータから学ぶ手法、D は少量のラベルと多数のラベルなしを併用する手法であり、報酬による試行錯誤を行うのは強化学習です。
Q8. 学習データに適合しすぎて、未知のデータに対する予測精度が低くなる現象として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
過学習(オーバーフィッティング)は、モデルが学習データの細かな特徴やノイズまで覚え込みすぎ、訓練データには高い精度を出すものの、未知のデータには精度が下がってしまう現象です。正則化やデータ増強、ドロップアウトなどで抑えます。
A の次元の呪いは特徴量が多すぎて学習が難しくなる現象、B の未学習はモデルが単純すぎて訓練データにも適合できない状態、D の勾配消失は層が深いと学習信号が弱まる現象であり、いずれも過学習とは別の問題です。
Q9. 分類モデルが「陽性」と予測したもののうち、実際に陽性だった割合を表す評価指標として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
適合率(Precision)は、モデルが陽性と予測したもののうち、実際に陽性だった割合を表します。誤って陽性と判定する数を抑えたいときに重視します。
B の再現率は実際の陽性のうちどれだけ拾えたかの割合、C の正解率は全体のうち正しく分類した割合、D のF値は適合率と再現率の調和平均であり、予測した陽性の的中度を表すのは適合率です。
Q10. データを複数のグループに分け、学習用と検証用を入れ替えながら繰り返し評価することで、モデルの汎化性能を測る手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
交差検証(クロスバリデーション)は、データをいくつかのグループに分割し、検証用に使うグループを入れ替えながら学習と評価を繰り返す手法です。特定の分け方に偏らず、未知データへの汎化性能をより信頼性高く見積もれます。
A のグリッドサーチはハイパーパラメータの探索、B のアンサンブル学習は複数モデルの組み合わせ、C の主成分分析は次元削減の手法であり、いずれも汎化性能を測る検証手法そのものではありません。
Q11. 条件分岐を木構造で表し、データを順に振り分けて分類や予測を行う教師あり学習の手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
決定木は、「ある特徴量がしきい値より大きいか」といった条件分岐を木構造で重ね、データを順に振り分けて分類・予測を行う教師あり学習の手法です。判断の流れを図で追えるため、結果を解釈しやすいのが利点です。複数の決定木を組み合わせたランダムフォレストもよく使われます。
A の k-means法とC の主成分分析は教師なし学習の手法、D のアソシエーション分析は項目間の関連ルールを見つける手法であり、木構造で分類するのは決定木です。
Q12. 多数の特徴量を、情報をできるだけ保ったまま少ない次元に圧縮する代表的な手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
主成分分析(PCA)は、多数の特徴量を、もとの情報(分散)をできるだけ失わないように、より少ない数の新しい軸(主成分)にまとめる次元削減の代表的な手法です。データの可視化やノイズの削減に役立ちます。
A のロジスティック回帰、B のサポートベクターマシン、D のナイーブベイズはいずれも分類に使われる手法であり、次元を圧縮する手法ではありません。
Q13. モデルが単純すぎて訓練データの傾向すら十分にとらえられない「未学習」の状態についての説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
未学習(アンダーフィッティング)は、モデルが単純すぎたり学習が不十分だったりして、訓練データに対しても誤差が大きい状態です。表現力(バイアスの大きさ)に問題があり、より複雑なモデルや特徴量の追加が対策になります。
B は過学習の説明、C は未学習を一部の状態に限定しすぎており不適切、D は学習時間の話であって未学習とは関係ありません。
Q14. 単純パーセプトロン(1層)では学習できないが、中間層を持つ多層化により表現できるようになった代表的な問題として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
単純パーセプトロンは直線で分けられる(線形分離可能な)問題しか学習できません。排他的論理和(XOR)は1本の直線では分離できない問題で、単層では解けないことが指摘されました。これは中間層を持つ多層パーセプトロンにすることで表現できるようになります。
A の論理積(AND)、B の論理和(OR)、C の否定(NOT)は、いずれも直線で分離できるため単純パーセプトロンでも学習できます。
Q15. 入力が0以下なら0、0より大きければそのままの値を出力する、ディープラーニングで広く使われる活性化関数として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
ReLU(ランプ関数)は、入力が0以下なら0、0より大きければ入力値をそのまま出力する活性化関数です。計算が単純で、層を深くしても学習信号が伝わりやすく勾配消失が起きにくいため、ディープラーニングで広く使われています。
A のシグモイド関数は出力を0から1に押し込む関数で勾配消失が起きやすく、C のソフトマックス関数は多クラス分類の出力層で確率に変換する関数、D のステップ関数は0か1を返す古典的な関数であり、本問の説明に当てはまるのはReLUです。
Q16. ニューラルネットワークの出力と正解との誤差を、出力層から入力層に向かって逆向きに伝え、各重みの調整量を求める手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)は、出力と正解の誤差を出力層から入力層へ逆向きに伝えながら、各重みが誤差にどれだけ影響したかを計算し、調整量を効率的に求める手法です。これにより多層のネットワークの学習が現実的になりました。
A のドロップアウトと B のバッチ正規化は学習を安定・効率化する工夫、D の転移学習は学習済みモデルの再利用であり、誤差を逆向きに伝えて重みを更新する手法は誤差逆伝播法です。
Q17. 損失関数の値が小さくなる方向へパラメータを少しずつ更新し、最小値を探す最適化手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
勾配降下法は、損失関数の勾配(傾き)が下る方向へパラメータを少しずつ更新し、損失が最小になる点を探す最適化手法です。更新の大きさは学習率で調整します。坂道をボールが転がり落ちるように、谷底(最小値)を目指すイメージです。
B は反復的に最小値を探す勾配降下法の説明としては狭すぎ、C の主成分分析は次元削減、D のクラスタリングはグループ分けの手法であり、損失を反復的に最小化するのは勾配降下法です。
Q18. 画像認識で広く使われるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の畳み込み層の主な役割として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
CNNの畳み込み層は、小さなフィルタ(カーネル)を画像上でずらしながら適用し、エッジや模様といった局所的な特徴を抽出します。位置が多少ずれても同じ特徴を捉えられるのが強みです。
A は時系列処理でCNNの畳み込みの役割ではなく、B はソフトマックスなど出力層の働き、C はドロップアウトの説明であり、局所特徴の抽出を担うのは畳み込み層です。
Q19. 文章や音声のような時系列・系列データを扱うのに適し、長期の依存関係を学びやすくしたLSTMが代表例となるネットワークとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
RNN(再帰型ニューラルネットワーク)は、前の時点の出力を次の入力にフィードバックする構造を持ち、文章や音声などの系列データを扱うのに適しています。長期の依存関係を学びにくい弱点を改善したのがLSTMです。
A のCNNは主に画像、C のオートエンコーダは次元圧縮・特徴抽出、D のGANはデータ生成に使われるネットワークであり、系列データを扱う代表はRNNです。
Q20. 層が深いニューラルネットワークで、入力層に近づくほど学習に必要な勾配が小さくなり、重みの更新がほとんど進まなくなる問題として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
勾配消失問題は、層が深いネットワークで誤差を逆向きに伝える際、入力層に近づくほど勾配が小さくなり、重みの更新がほとんど進まなくなる問題です。シグモイド関数で起きやすく、ReLUの利用や残差接続(スキップ接続)などで緩和されます。
A の過学習は汎化性能の問題、B の次元の呪いは特徴量が多すぎる問題、D のコールドスタート問題は推薦システムでデータが乏しいときの問題であり、深層で勾配が伝わらなくなるのは勾配消失問題です。
Q21. 学習のたびに一部のニューロンをランダムに無効化することで、過学習を抑える正則化の手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
ドロップアウトは、学習のたびに一部のニューロンをランダムに一時的に無効化する手法です。特定のニューロンへの依存を防ぎ、結果として複数のネットワークを学習させたような効果が得られ、過学習を抑える正則化として機能します。
B のプーリングはCNNで特徴マップを縮小する処理、C のパディングは畳み込み前に画像の端を補う処理、D のファインチューニングは学習済みモデルの微調整であり、ランダムにニューロンを無効化するのはドロップアウトです。
Q22. 入力データをいったん低い次元に圧縮し、それを元の入力に近い形へ復元するように学習することで、特徴抽出や次元削減を行うネットワークとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
オートエンコーダは、入力をエンコーダで低次元の表現に圧縮し、デコーダで元の入力に近い形へ復元するように学習するネットワークです。中間の圧縮表現がデータの特徴をとらえるため、次元削減やノイズ除去、異常検知などに使われます。
A のCNNは画像認識、B のRNNは系列データ、C のTransformerは注意機構を使った系列処理に強いモデルであり、入力を圧縮・復元して特徴を学ぶのはオートエンコーダです。
Q23. CNNのプーリング層(最大プーリングなど)の主な効果として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
CNNのプーリング層は、特徴マップを小さな領域ごとに代表値(最大値など)でまとめて縮小します。これにより計算量を減らすとともに、特徴の位置がわずかにずれても同じように反応する頑健性が得られます。
A は色を増やす処理ではなく、C はソフトマックスなど出力層の働き、D は最適化アルゴリズムの役割であり、ダウンサンプリングを行うのはプーリング層です。
Q24. 大規模言語モデルの基盤となったTransformerが中心に採用し、入力系列のどの部分に注目すべきかを動的に重みづけする仕組みとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
注意機構(Attention)は、入力系列の中でどの部分が今の処理に重要かを動的に重みづけする仕組みです。Transformerはこの注意機構(特に自己注意)を中心に据えることで、系列内の離れた語どうしの関係を効率よく捉え、大規模言語モデルの土台になりました。
A の畳み込みと B のプーリングはCNNの構成要素、D のドロップアウトは過学習対策であり、注目すべき箇所を重みづけするのは注意機構です。
Q25. 生成を担うネットワークと、本物か偽物かを見分けるネットワークを競わせながら学習し、本物らしいデータを生成する仕組みとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
GAN(敵対的生成ネットワーク)は、データを作り出す生成器と、本物か生成物かを見分ける識別器を競わせながら学習させる仕組みです。両者がせめぎ合ううちに生成器が本物らしいデータを作れるようになり、画像生成などに使われます。偽札職人と鑑定士が互いに腕を磨き合うようなイメージです。
B のCNNは画像認識が主用途、C の決定木と D のサポートベクターマシンは分類・回帰の手法であり、2つを競わせて生成するのはGANです。
Q26. 大量かつ多様なデータで大規模に事前学習され、さまざまな下流タスクに適応させて使える汎用的なモデルを指す言葉として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
基盤モデル(ファウンデーションモデル)は、大量かつ多様なデータで大規模に事前学習され、ファインチューニングやプロンプトによって多様な下流タスクに適応できる汎用的なモデルを指します。大規模言語モデル(LLM)はその代表例です。
A のエキスパートシステムはルールベースの古典的AI、B の決定木と C のパーセプトロンは個別の機械学習・NNの要素であり、大規模事前学習を前提とした汎用モデルを指すのは基盤モデルです。
Q27. 大規模言語モデルに対し、いくつかの例示を与えたうえで本番の質問をすることで、その場で回答の仕方を合わせさせる手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
Few-Shot(少数事例)プロンプティングは、プロンプトの中にいくつかの入力と出力の例を示してから本番の質問をすることで、モデルの重みを更新せずにその場で回答の傾向を合わせさせる手法です。例を与えないZero-Shotと対比されます。
A のファインチューニングと B の事前学習はモデルの重みを更新する学習段階、D のデータ拡張は学習データを水増しする工夫であり、例示で振る舞いを合わせるのはFew-Shotプロンプティングです。
Q28. 大規模言語モデルが回答を作る際に、外部の文書やデータベースから関連情報を検索し、その内容を踏まえて回答を生成する仕組みとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
RAG(検索拡張生成)は、質問に関連する情報を外部の文書やデータベースから検索し、その内容をプロンプトに添えて回答を生成させる仕組みです。モデルが持たない最新情報や社内情報を反映でき、事実に基づかない生成(ハルシネーション)を抑える効果が期待されます。
A のドロップアウトは過学習対策、C の蒸留と D の量子化はモデルを軽量化する技術であり、外部知識を検索して生成に活かすのはRAGです。
Q29. 大量データで事前学習した汎用モデルを、特定の用途のデータで追加学習して専門タスクに適応させる手法として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
ファインチューニングは、大量データで事前学習された汎用モデルを土台にし、目的の用途に合わせた比較的少量のデータで追加学習して専門タスクに適応させる手法です。ゼロから学習するより少ない労力で高い性能を得やすくなります。
B のクラスタリングはグループ分け、C の次元削減は特徴量の圧縮、D の正規化はデータの尺度をそろえる前処理であり、事前学習済みモデルを追加学習で適応させるのはファインチューニングです。
Q30. 大規模言語モデルが、事実に基づかないもっともらしい誤った内容を、自信ありげに生成してしまう現象を指す言葉として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
ハルシネーション(幻覚)は、大規模言語モデルが事実に基づかない誤った内容を、あたかも正しいかのようにもっともらしく生成してしまう現象です。生成AI利用上の代表的なリスクで、出力の事実確認やRAGの活用が対策になります。
A の過学習は汎化性能の問題、B の勾配消失は深層学習の学習上の問題、C のデータリーケージは評価時に答えが漏れ込む問題であり、誤情報をもっともらしく生成するのはハルシネーションです。
Q31. 目標を与えると、計画を立てて外部ツールの呼び出しなどを自律的に組み合わせ、タスクを段階的に遂行するAIの形態として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
AIエージェントは、目標を与えられると自ら計画を立て、外部ツールやAPIの呼び出しなどを組み合わせて段階的にタスクを遂行するAIの形態です。大規模言語モデルを中核に据え、検索・計算・操作などを自律的に実行する応用が広がっています。
A のエキスパートシステムはルールベースの古典的AI、B のレコメンドエンジンは推薦に特化した仕組み、D のオートエンコーダは特徴抽出のネットワークであり、自律的にタスクを遂行するのはAIエージェントです。
Q32. ある事象Bが起きたという条件のもとで事象Aが起きる確率を表す概念として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
条件付き確率は、ある事象Bが起きたという条件のもとで、別の事象Aが起きる確率を表すもので、記号では P(A|B) と書きます。ベイズの定理の基礎となり、機械学習の確率モデルでも重要な概念です。
A の周辺確率は条件を考えない単独の確率、C の標準偏差はデータのばらつきの尺度、D の期待値は確率変数の平均的な値であり、条件のもとでの確率を表すのは条件付き確率です。
Q33. データが平均値の周りにどれだけばらついているかを表す尺度として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
分散は各データと平均との差を二乗して平均した値で、標準偏差はその平方根です。どちらもデータが平均の周りにどれだけ散らばっているか、つまりばらつきの大きさを表します。
B の中央値はデータを並べた中央の値、C の最頻値は最も多く現れる値、D の合計値は総和であり、いずれもばらつきそのものを表す尺度ではありません。
Q34. 平均値を中心に左右対称の釣り鐘型をしており、自然界や測定誤差などで広く現れる連続型の確率分布として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
正規分布(ガウス分布)は、平均値を中心に左右対称の釣り鐘型をした連続型の確率分布で、平均と標準偏差の2つで形が決まります。多くの自然現象や測定誤差が近似的に従い、統計や機械学習で最も基本的な分布です。
A の一様分布はどの値も同じ確率、B のポアソン分布は単位時間あたりの稀な事象の回数、C の二項分布は成功・失敗を繰り返す試行の分布であり、左右対称の釣り鐘型は正規分布です。
Q35. 2つの変数に強い相関が見られる場合の解釈として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
相関関係は因果関係を意味しません。2つの変数が一緒に動いて見えても、一方が他方の原因とは限らず、両方に影響する第3の要因(交絡因子)が背後にある場合や、偶然の一致である場合もあります。データ分析では混同しないことが重要です。
A と D は相関から因果を直結させており誤り、B は相関があれば因果がないと断定する点で誤りです。相関の有無と因果の有無は別問題です。
Q36. 事前確率と新たに得られた観測結果(尤度)から、事後確率を更新するための定理として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
ベイズの定理は、ある仮説の事前確率と、新たに観測されたデータの起こりやすさ(尤度)を組み合わせて、データを踏まえた事後確率へと更新する定理です。迷惑メールフィルタなど、機械学習の確率モデルの基礎になっています。
A の大数の法則は試行を重ねると相対頻度が確率に近づく法則、C の中心極限定理は標本平均の分布が正規分布に近づく定理、D の三平方の定理は幾何の定理であり、確率の更新を扱うのはベイズの定理です。
Q37. 日本の著作権法における、AIの学習のための著作物利用に関する一般的な理解として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
日本の著作権法では、情報解析を目的とした著作物の利用が一定の条件のもとで認められる場合があります。一方で、生成物が既存の著作物に類似し依拠していると判断される場合などには、著作権侵害が問題になりうると整理されています。利用の目的や態様によって扱いが変わる点に注意が必要です。
B の無条件に自由、C の一律全面禁止、D のいっさい無関係は、いずれも実際の整理を極端に単純化しており適切ではありません。
Q38. 学習データの偏りなどが原因で、AIが特定の属性の人々に不利な判断を繰り返してしまう問題を指す言葉として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
AIバイアスは、学習データに含まれる偏りや、設計上の前提などが原因で、AIが特定の性別・人種・年齢といった属性の人々に不公平な判断を繰り返してしまう問題です。採用や与信などの場面で特に深刻で、公平性の確保はAI倫理の重要課題です。
A の過学習は汎化性能の問題、B の勾配消失は学習上の技術的問題、C のシンギュラリティは将来予測の概念であり、不公平な判断の偏りを指すのはAIバイアスです。
Q39. ディープラーニングなどのモデルが、なぜその結論に至ったのかを人間が理解しにくい「ブラックボックス」問題に対し、判断の根拠を説明可能にしようとする取り組みを指す言葉として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
説明可能なAI(XAI: Explainable AI)は、判断の過程が分かりにくいAIのブラックボックス問題に対し、なぜその結論に至ったのかを人間が理解できる形で示そうとする取り組みです。医療や金融など、判断の根拠が問われる分野で特に重視されます。
A のデータ拡張は学習データの水増し、B のアンサンブル学習は複数モデルの組み合わせ、D のエッジコンピューティングは端末側で処理する考え方であり、判断根拠の説明を目指すのは説明可能なAIです。
Q40. AIの開発・利用で個人データを扱う際の配慮として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
AIで個人データを扱う際は、利用目的の明示・本人の権利への配慮・安全管理措置など、個人情報保護法をはじめとする法令を踏まえた適切な取り扱いが求められます。プライバシーへの配慮は、AIの社会実装で欠かせない論点です。
A の配慮不要、C の目的外の自由転用、D の匿名化後は考慮不要は、いずれも法令や倫理上の要請に反しており適切ではありません。
試験全体の流れを俯瞰したい時は、G検定 試験全体概要 に戻れます。