「どちらも教師あり学習だよね?」
「試験でどう問われるのか知りたい」
「回帰」と聞くと、数値を予測すること全般を指す気がします。でも、それは半分だけの理解です。
回帰と分類とは、教師あり学習が扱う2つの代表タスクです。答えが連続した数値なら回帰、決まったカテゴリのどれかなら分類。この「答えの型」の違いが、使う手法も評価の物差しも分けます。
この記事では、2つを分ける1点を確かめ、それぞれの中身を具体例で押さえ、出力・評価・手法を一枚の表で対比します。最後に、現場と試験で取り違えないための見分け方まで整理します。G検定・AI-900の機械学習対策に効きます。
1. 分け目は「答えの型」— 数値かカテゴリか
回帰も分類も、正解ラベル付きのデータから学ぶ教師あり学習の仲間です。両者を一発で分けるのは、予測したい答えが「数値」か「カテゴリ」かという1点だけ。ここさえ押さえれば、あとは枝葉です。
- 回帰: 連続した数値を予測する。来月の売上、明日の気温、家の価格など
- 分類: 決まったグループのどれに入るかを当てる。迷惑メールか否か、犬か猫かなど
この2タスクは、教師あり学習の全体像の中核にあります。学び方の枠組みから押さえたいなら、教師あり学習と教師なし学習とは を先に読むと位置づけがつかめます。
2. 回帰 — 連続した数値を言い当てる
「来月の売上はいくらになりそうか」。この問いに答えるのが回帰です。予測の答えが「3万円」「28度」のように連続した数値になるのが特徴です。
過去のデータから「気温」と「アイスの売上」の関係を学べば、明日の気温を入れるだけで売上の予測値が返ってきます。イメージは、散らばった点のなかにいちばんよく沿う1本の線を引くこと。新しい入力に対する答えを、その線から読み取る仕組みです。複雑な計算は道具にまかせ、あなたは「数値の傾向を線で表す」という絵だけ持っておけば十分です。
あなたの身の回りにも回帰は多くあります。住宅価格の見積もり、来客数の需要予測、電力使用量の推定——いずれも「数値そのもの」を答えとして求めています。ぴったり当てるより、もっともらしい数値に近づけるのが回帰の狙いだと押さえてください。
3. 分類 — 決まった箱のどれかに入れる

一方であなたが分類を使うのは、あらかじめ決まったグループのどれに当てはまるかを当てたいときです。答えは数値ではなく、カテゴリ(ラベル)になります。
- メールが「迷惑」か「通常」か(2つに分ける2値分類)
- 画像が「犬」か「猫」か「鳥」か(3つ以上に分ける多クラス分類)
- レビューが「肯定的」か「否定的」か
スマホの顔認証、写真アプリの自動タグ付け、レビューの自動仕分け——身近なAI機能の多くは、この分類が土台です。分類は「90%の確率で迷惑メール」のように、判断の確からしさを添えて返すことも多くあります。この確率のおかげで、「自信の低い判定だけ人が確認する」といった線引きも設計でき、実務では丸ごと自動化するより現実的な運用につながります。
4. 出力・評価・手法を一枚で対比する

ここまでの違いを、あなたの手元に残る形で1枚にまとめました。答えの型・問いの形・成績の測り方・代表アルゴリズムまで、試験で問われる観点を横断できる対比表です。1つずつバラバラに覚えるより、この一枚で縦に見比べると頭に残ります。
| 観点 | 回帰 | 分類 |
|---|---|---|
| 答えの型 | 連続した数値 | カテゴリ(ラベル) |
| 問いの形 | 「いくつ?」 | 「どれ?」 |
| 代表例 | 売上・気温・価格の予測 | 迷惑メール判定・画像の種類当て |
| 成績の測り方 | 予測値と実測のズレ(誤差) | 当たった割合(正解率など) |
| 代表アルゴリズム | 線形回帰・回帰木 | 決定木・SVM・ロジスティック回帰 |
表の最下段に、受験者を引っかける地雷があります。ロジスティック回帰です。名前に「回帰」と付きますが、実際はカテゴリを当てる分類の手法。名前と役割がねじれているので、ここは1問拾えるポイントとして覚えてください。手法の土台をもう一段深めたいなら、機械学習とは が近道です。
5. 取り違えが命取り — 現場と試験での分かれ道
回帰と分類の判断軸は、現場でも試験でも同じです。ただし、あなたが取り違えると、影響は思ったより大きくなります。
受託開発で予測の案件に入るときも、最初に確かめるのは「ほしい答えは数値か、区分か」です。ここを取りちがえると、評価のものさし(誤差で測るか、当たり外れで測るか)まで丸ごとずれ、後から手戻りになります。やっかいなのは、同じ題材でも設計しだいでタスクが変わること。「年齢」を数値として当てれば回帰、「10代・20代・30代」の区分に分ければ分類になります。
逆に、答えのラベルがまったく無いデータからまとまりを見つける手法は、教師あり学習ではありません。それは クラスタリングとは で扱う教師なし学習の領域です。回帰・分類と並べて押さえると、機械学習の地形図が立体的になります。
あなたが問題文の前で迷ったら、たった一手だけ思い出してください。「答えは数値か、カテゴリか」。この問いに戻せば、回帰か分類かは自動的に決まります。手法名やアルゴリズムの暗記より、この分かれ道を握っておくことが、応用の効く土台になります。新しい用語が出てきても、まず「答えの型」に立ち返れば、どちらの世界の話かを落ち着いて仕分けられます。
次のステップ
機械学習が試験全体でどう問われるかを俯瞰したいなら、G検定の試験範囲と勉強法ガイド で学習の優先順位を立てるのがおすすめです。
得点力に変えるなら、G検定 機械学習の問題集 で、実際の出題角度に手を動かして慣れておくのが近道です。