Azure AKSとは?コンテナ運用をやさしく解説

Azure AKSとは?コンテナ運用をやさしく解説

Azure Kubernetes Serviceの仕組みに悩むAzure学習者のイメージ
「AKSって、結局どんなサービス?」
「コンテナやKubernetesって難しそう…」
「VMやApp Serviceと何が違うの?」

「AKS=難しい」という身構えは、たいてい2つの誤解から来ています。「Kubernetesを自分で組まないと使えない」と「AKSがアプリまで作ってくれる」。どちらも実際は違います。

AKSとは、たくさんのコンテナをまとめて動かす仕組みを、Azureに任せられるマネージドサービスです。難しい土台の管理を、Azure側に肩代わりしてもらえます。

 

この記事では、まずAKSとコンテナの基本を固め、よくある2つの誤解を1つずつ解き、最後にVM・App Service・ACIとの使い分けと、AZ-900での問われ方まで示します。

 

1. コンテナをまとめて動かすサービス

コンテナをまとめて動かすAKSのイメージ

先に土台となるコンテナを1行で。コンテナとは、アプリと必要な部品を1つの箱にまとめた、軽くて持ち運びやすい実行環境です。開発環境でも本番でも、箱ごと動かせば同じ状態で動きます。AKSは、この数多くのコンテナを、まとめて面倒見る役をAzureに任せられるサービスです。

 

たとえるなら、規格をそろえた輸送コンテナです。中身が家具でも食品でも、箱の外寸が同じなら、船にもトラックにもそのまま積み替えられます。ソフトのコンテナも同じで、中のアプリが何であれ、同じ手順で運んで動かせます。AKSは、その箱を大量にさばく物流センターの配車役だと考えてください。

 

コンテナ1つなら手で動かせても、数十・数百に増えると、どこで動かすか・止まったらどう立て直すかの管理が重くなります。ここを引き受けるのがAKSです。そもそもクラウド自体の基礎から確かめたいなら、クラウドコンピューティングとは で前提を押さえられます。

 

2. 誤解「Kubernetesは自分で組まないと使えない」

AKSがKubernetesの土台を肩代わりするイメージ

1つ目の誤解を解きます。Kubernetes(クバネティス)とは、たくさんのコンテナの自動配置・スケール・復旧をまとめて管理する仕組みです。どこで動かすか、止まったら立て直すか、混んだら増やすかを自動で采配する、現場監督のような存在です。

 

このKubernetesを自分で構築・運用すると、設定や更新の手間が重くのしかかります。しかし、あなたがその重さを全部背負う必要はありません。AKSは、Kubernetesをマネージドで提供します。全体を采配する「コントロールプレーン」という頭脳部分の管理をAzureが受け持つため、あなたは土台の運用から解放されます。「Kubernetesは難しい」は本当ですが、「だから自分で全部組む」は誤解です。

 

AKSが自動でやってくれる代表は3つです。混んできたらコンテナを増やす(スケール)/止まったコンテナを立て直す(自己復旧)/新しいバージョンへ少しずつ入れ替える(更新)。手作業だと大変なこれらを仕組みに任せられるのが、マネージドの価値です。

 

3. 誤解「AKSがアプリまで作ってくれる」

AKSは土台を肩代わりしアプリは利用者が作る分担のイメージ

2つ目の誤解です。AKSは土台を肩代わりしてくれますが、コンテナの中身(アプリ)づくりは、あなたの役割です。ここを取り違えると、「AKSを使えば開発が要らない」という勘違いにつながります。

 

役割の線引きははっきりしています。Azureが受け持つのは、コンテナをどこで動かし、どう増減させ、どう復旧させるかという運用の采配。あなたが受け持つのは、動かすアプリそのものの設計と実装です。物流の配車役がトラックを手配してくれても、積む荷物の中身は自分で用意するのと同じです。土台の心配から解放されるぶん、あなたはアプリの中身づくりに力を注げます。この分担を押さえると、AKSに何を任せ、何を自分でやるかが整理できます。

 

AKSが力を発揮する代表的な用途が、マイクロサービスです。サービスを機能ごとの小さな部品に分け、それぞれをコンテナで動かす構成と、大量のコンテナをさばくAKSは相性が良い。料金は、動かすコンピューティング資源に応じた従量課金が中心です。サーバー管理の要らないWebアプリ基盤と比べたいなら、Azure App Serviceとは で対比できます。

 

4. VM・App Service・ACIとの使い分け

Azureのコンピューティング系サービスを使い分けるイメージ

Azureには似たサービスが並び、迷いやすいところです。大まかには、自由度が高いほど管理の手間も増えるという関係で並びます。AKSは「多数のコンテナをまとめて運用したい」ときに向く位置づけです。

 

サービス 向いている場面
Azure VM OSから自分で管理したい・既存アプリの移行
Azure App Service Webアプリをサーバー管理なしで手軽に動かす
Container Instances コンテナを1つ単位で手軽に動かす
AKS 多数のコンテナをまとめて運用・スケールしたい

 

少数のコンテナを試すだけならContainer Instancesが手軽で、規模が大きく束ねて運用したくなったらAKS、という段階で捉えると迷いません。小さく始めて、増えてきたら乗り換える、という発想です。自由度の高いIaaSの側から比べたいなら Azure VMとは も合わせて読むと、全体像がつながります。あなたが「どれだけ自分で管理したいか」を軸に置けば、選択は素直に決まります。

 

5. AZ-900では、コンピューティングの一つとして問われる

AZ-900でAKSが問われる位置づけのイメージ

あなたがAZ-900(Azure Fundamentals)を受けるなら、AKSはアーキテクチャとサービス領域のコンピューティングの一つとして問われます。問われるのは細かい操作ではなく、他のサービスとの位置づけです。

 

定番は「多数のコンテナをまとめて運用したいときに向くのはどれか」という形です。ここでVM・App Service・Container InstancesとAKSを並べて選ばせます。第4章の使い分けの表が、そのまま答えの軸になります。「コンテナを大量に束ねる=AKS」という対応を握っておけば、コンピューティング系の設問で取り違えません。

 

得点の軸は「AKS=多数のコンテナをまとめて運用、土台はAzure・アプリは自分」です。2つの誤解(自分で組む/アプリも作ってくれる)を解いておけば、役割の切り分けを問う設問にも落ち着いて答えられます。

 

次のステップ

AKSはコンピューティングの一つとして出ます。Azure Fundamentals(AZ-900)の試験範囲と勉強法ガイド でサービス領域を俯瞰すると、似たサービスとの並びが頭に入ります。

使い分けを腕試しするなら、AZ-900 アーキテクチャとサービスの問題集 で、コンピューティングを選ぶ設問にあたってみましょう。