AWS Direct Connectとは?SAA頻出の専用線を解説

Direct Connectとは?SAA頻出の専用線を解説

AWS Direct ConnectとVPNの違いに悩むAWS学習者のイメージ
「Direct Connectって、VPNと何が違うの?」
「専用線って、どういうつなぎ方?」
「SAAでは、接続方法をどう問われるの?」

オンプレミスとAWSをつなぐ方法は2つあります。インターネット越しにつなぐVPNと、専用の回線で直結するDirect Connect。この記事の主役は後者です。

AWS Direct Connectとは、自社のオンプレミスとAWSを、インターネットを経由しない専用線で直結するサービスです。混雑に左右されにくい、安定した通信を実現します。

 

この記事では、専用線接続の基本を固め、VPNとの違いを切り分け、安定した帯域というメリットを押さえます。最後に「どちらを選ぶか」の判断と、SAAでの問われ方まで示します。

 

1. 専用の回線で、AWSと直接つなぐ

オンプレミスとAWSを専用線で直結するイメージ

Direct Connectの基本は、自社とAWSを、専用の回線で直接つなぐ点にあります。ここでいうオンプレミスとは、自社が持つデータセンターやサーバー室のことです。その環境とAWSの間に、他社と共有しない占有の回線を引きます。インターネットという「みんなで使う公道」を通らず、専用の通り道を確保する形です。

 

たとえるなら、専用の直通エレベーターです。共用エレベーターは各階で止まり、混む時間帯は待たされます。専用の直通なら、あなたは他の人の乗り降りに左右されず、目的の階へまっすぐ着けます。Direct Connectも、他社の通信に邪魔されない専用の通り道を確保する、という点でこれに近いです。

 

接続先になるAWS内のネットワークは、AWS VPCとは で前提を押さえられます。オンプレミスとVPCの間を、公道を通らず専用の橋で結ぶ、とイメージすると位置づけがつかめます。そもそもクラウド自体の基礎から確かめたいなら、クラウドコンピューティングとは から入ると土台が固まります。

 

2. VPNとの違いは「インターネットを通るか」

Direct ConnectとVPNの違いを比べるイメージ

「VPNと何が違うの?」――違いはインターネットを通るかどうかの一点に集約されます。VPNは、インターネットを使いながら、その上に暗号化した安全な通り道を作ってAWSとつなぎます。手軽に始められる一方、土台はあくまでインターネットなので、混雑の影響を受けます。

 

Direct Connectは、インターネットを通らない専用線でつなぎます。その分、通信が安定し、混雑に左右されません。ただし、回線を物理的に用意するため、VPNより始めるまでの準備期間と費用がかかります。数日で使い始められるVPNに対し、専用線は開通までに時間を見込む必要があります。手軽さを取るか、安定性を取るかで比べると、両者の性格がくっきりします。

 

観点 VPN Direct Connect
通り道 インターネット経由 専用線
導入 手軽に始めやすい 回線の準備が要る
安定性 混雑の影響を受ける 安定しやすい
費用 低め 高めになりやすい

 

両者は対立するだけでなく、組み合わせて使う手もあります。ふだんはDirect Connect、回線障害への備えとしてVPN、という冗長化の構成です。あなたが「安定性も、もしもの備えも」と求めるなら、二者択一ではなく併用が答えになります。

 

3. 安定した帯域というメリット

Direct Connectの安定した帯域を示すイメージ

Direct Connectの価値が最も出るのが、帯域の安定です。帯域とは、一度に流せるデータの太さのこと。インターネット経由では、混雑でこの太さが変わります。専用線なら他の利用者の影響を受けず、太さが安定します。

 

あわせて、通信の遅れ(レイテンシ)も一定に保たれます。通り道が混雑に左右されないため、応答の速さがばらつきません。決まった時間内に処理を終えたい業務や、リアルタイム性が求められるやり取りでは、この「ばらつかない」性質が効いてきます。だからDirect Connectは、大量のデータを定期的にやり取りする場面や、通信品質を一定に保ちたい業務システムで選ばれます。たとえば、自社のデータセンターからAWSへ毎晩まとまったデータを送る連携や、オンプレミスとクラウドをまたいで使い続けるハイブリッド構成です。あなたがこうした要件に直面したとき、専用線という選択肢が視野に入ります。

 

Direct Connectを選ぶ目安は、「大量のデータを安定して送りたい」「通信品質を一定に保ちたい」という要求です。逆に、たまに少量つなぐだけなら、専用線の準備は過剰になります。あなたが安定性を必要とする度合いが高いほど、専用線の価値が出ます。

 

4. どちらを選ぶか、要件から決める

要件からDirect ConnectとVPNを選び分ける判断のイメージ

実際の設計では、Direct ConnectとVPNのどちらかを、要件から逆算して選びます。判断は難しくありません。次の問いを順にたどれば、答えは1つに絞れます。

 

  1. 安定した帯域・一貫した品質が要るか? → 要るなら Direct Connect
  2. 手早く・低コストでつなぎたいか? → それが最優先なら VPN
  3. 安定性と障害への備えを両立したいか? → Direct Connect と VPN の併用

 

ポイントは、どちらが優れているかではなく「その案件が何を優先するか」で決まる点です。安定性が命綱なら専用線、まず動かすことが大事ならVPN、というように、優先順位が接続方式を選びます。あなたが要件の言葉を、この3つの問いに当てはめれば、接続方式は迷わず選べます。「安定した帯域がほしい」と書いてあればDirect Connect、「素早く安く」ならVPN、という読み替えが、そのまま設計の判断になります。

 

5. SAAでは、接続方式の選択が問われる

SAAでDirect Connectの選択が問われる位置づけのイメージ

SAA(AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト)では、Direct Connectは要件に合う接続方式を選べるかという角度で問われます。ネットワーク設計や高性能アーキテクチャの文脈で、オンプレミスとの接続として登場します。

 

定番は、シナリオを読んで接続方式を選ばせる形です。「安定した帯域や一貫した通信品質がほしい」ならDirect Connect、「手早く・低コスト」ならVPN、という読み替えがそのまま問われます。第4章の3つの問いを持っておけば、あなたはシナリオ問題でも迷いません。

 

得点の軸は「専用線で安定=Direct Connect、インターネットで手軽=VPN、両立=併用」のキーフレーズです。用語だけを覚えるより、要件から接続方式を逆算する型を持つほうが、ネットワーク設計問題で崩れません。

 

次のステップ

接続方式は、ネットワーク設計の定番論点です。AWS SAAの試験範囲と勉強法ガイド でその位置を確かめておくと、周辺の設計問題ともつながります。

選び分けの型を試すなら、AWS SAA 高性能設計の問題集 で、要件から接続を選ぶシナリオ問題に挑戦してみてください。