ITパスポート ストラテジ系「経営戦略・法務・システム戦略」の練習問題10問です。解けなかった問題は、各問の解説末尾のリンクから対応する解説記事に進んでください。
Q1. 経営戦略を立てるときに使われる「SWOT分析」の構成要素として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
SWOT分析 は、企業を取り巻く状況を 強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats) の4つに整理して、戦略を考えるフレームワークです。社内の状況(強み・弱み)と社外の環境(機会・脅威)を同時に見ることで、自社が取るべき方向性を判断しやすくなります。
A は PEST分析(政治・経済・社会・技術の外部環境分析)、C は 3C分析(顧客・競合・自社)の説明で、いずれも SWOT 分析の構成要素ではありません。
Q2. 「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
DX は経済産業省の定義によれば、企業がデジタル技術を活用し、製品・サービス・ビジネスモデルや組織・業務プロセスを変革して競争上の優位性を確立する ことを指します。単なるデジタル化(紙→PDF など)にとどまらず、ビジネスのあり方そのものを変える点がポイントです。
A は紙のデジタル化(デジタイゼーション)、B は単なるシステム保守作業の説明で、どちらも DX の本来の定義には届きません。
Q3. 個人情報保護法における「個人情報」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
個人情報保護法では、個人情報 を「生存する個人 に関する情報で、氏名・生年月日その他の記述などにより、特定の個人を識別できるもの」と定めています。マイナンバーや運転免許証番号など、それ自体で個人を識別できる符号(個人識別符号)も含まれます。
A は法人情報で、個人情報保護法の対象外です。B は 匿名加工情報 にあたり、適切な加工がされていれば個人情報には該当しません。C の故人の情報は「生存する個人」に含まれないため、原則として個人情報保護法の保護対象外です(遺族の権利として別途扱われる場合があります)。
なお個人情報の具体的な扱いについては、個人情報保護委員会が最新のガイドラインを公表しています。個別のケースで判断に迷う場合は、弁護士など専門家への相談を検討してください。
Q4. 日本の著作権法における「著作物の保護期間」の原則として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
日本の著作権法では、個人が創作した著作物の保護期間は、原則として 著作者の死後70年 まで(2018年改正により50年から70年に延長)とされています。法人著作物や映画の著作物には別の規定があり、公表後70年などの取扱いとなる場合があります。
B の「公表後10年」、C の「著作者の死亡と同時に終了」はいずれも誤りです。
AI 生成物の著作権については、文化庁が継続的に検討・整理を進めている分野で、現時点では「人の創作的寄与がない AI 自律生成物には著作権が発生しない」という考え方が示されています。最新の見解は文化庁の公式資料を確認してください。
Q5. 経営戦略フレームワーク「3C分析」の3つの視点として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
3C分析 は、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company) という3つの視点から、自社が市場でどう戦うかを考えるフレームワークです。市場のニーズ、競合の動き、自社の強み・経営資源を並べて整理することで、戦略の打ち手を絞り込みやすくなります。
A は業務改善で使う PDCAサイクル の最初の3工程、C は製造業や開発で使われる QCD(品質・コスト・納期)の3要素の説明で、いずれも 3C 分析ではありません。
Q6. 経営管理で使われる「KGI」と「KPI」の関係として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
KGI(Key Goal Indicator・重要目標達成指標) は、企業や事業が最終的に達成したい目標値(例: 年間売上高、新規顧客数)を指します。KPI(Key Performance Indicator・重要業績評価指標) は、KGI を達成するための 中間プロセスの達成度を測る指標(例: 月間の問い合わせ件数、商談化率)です。
「健康診断」にたとえると、KGI は「健康な体重」というゴール、KPI は「1日の歩数」「食事カロリー」など、ゴールに近づくための日々の数値、というイメージです。
A は「社内/社外」という分け方が誤り、B は対象を売上・利益に限定している点が誤りで、いずれも KGI / KPI の本来の定義から外れます。
Q7. 「BPR(Business Process Reengineering・業務プロセス再設計)」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
BPR は、既存の業務プロセスを部分的に修正するのではなく、根本から見直して再設計し、コスト・スピード・品質などを大幅に改善する 経営手法です。情報システムの導入やデジタル化と組み合わせて進められることが多く、DX 推進の文脈でも基礎概念として扱われます。
B は人事評価制度、C は物流最適化(SCM の一部)の説明で、いずれも BPR の定義ではありません。
Q8. 不正アクセス禁止法で禁止されている行為として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
不正アクセス禁止法(正式名称: 不正アクセス行為の禁止等に関する法律)では、他人の識別符号(ID・パスワード等)を無断で利用してコンピュータにログインする行為 や、セキュリティホールを突いて本来アクセス権のないシステムに侵入する行為などが禁止されています。違反すると刑事罰の対象になります。
A は公開された Web ページの正規閲覧であり、不正アクセスにはあたりません。C は本人の正規アカウントでの正常な利用で、これも違法行為ではありません。
法令の詳しい運用や最近の事案については、警察庁や国家公安委員会の公式資料を参照してください。実際の事案で違反の有無を判断するには、弁護士など専門家への相談を検討してください。
Q9. 経営管理フレームワーク「バランススコアカード(BSC)」の4つの視点として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
バランススコアカード(BSC) は、企業の業績を 財務・顧客・業務プロセス・学習と成長 という4つの視点から多面的に評価する経営管理の枠組みです。財務指標だけでは見えにくい「将来の成長力」や「顧客との関係性」も同時に管理できる点が特徴です。
「健康診断の4つの数値」にたとえると、財務は「体重」、顧客は「血圧」、業務プロセスは「歩数」、学習と成長は「日々の食事」のように、複数の角度から健康状態(経営状態)を確認するイメージに近いです。
A は財務指標だけに偏った見方、B は SWOT分析、D は PDCA サイクルの説明で、いずれも BSC の4視点ではありません。
Q10. IT投資の効果を金額面で評価するときに使われる指標として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
ROI(Return On Investment・投資利益率) は、ある投資から得られた利益を投資額で割って百分率で示す指標です。IT 投資の経済性を評価するときに広く使われ、DX 推進や IT 投資計画の優先順位付けの判断材料になります。一般に「ROI = 利益 ÷ 投資額 × 100(%)」で計算します。
B の CPU 使用率は技術系のサーバ性能指標、C のページビュー数は Web マーケティングのアクセス指標で、いずれも IT 投資の金額的な評価指標ではありません。
試験全体の流れを俯瞰したい時は、ITパスポート 試験全体概要 に戻れます。