応用情報技術者試験 午前「ネットワーク」の練習問題10問です。OSI基本参照モデル、TCP/IPの階層、サブネットの計算、ルーティング、TCPとUDPの違い、転送時間の計算、DNS、HTTP、QoSなど、応用情報レベルで問われやすいテーマを集めました。解けなかった問題は、各問の解説末尾のリンクから関連情報に進んでください。
Q1. OSI基本参照モデルの各層に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
データリンク層(第2層)は、隣接する機器間でフレームを転送し、誤り検出などを行う層です。ネットワーク層(第3層)は、IPアドレスのような論理アドレスを用いて宛先までの経路を選択(ルーティング)し、パケットを中継する層です。OSI基本参照モデルは下位から物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セッション・プレゼンテーション・アプリケーションの7層で構成されます。
A は第3層と第4層の並び順が逆、C はトランスポート層を物理層の説明にすり替え、D は経路選択をアプリケーション層の役割としている点で、いずれも適切ではありません。
Q2. TCP/IP階層モデルと、そこで動作するプロトコルの対応として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
TCP/IP階層モデルは、上位からアプリケーション層・トランスポート層・インターネット層・ネットワークインタフェース層の4階層で構成されます。HTTPやDNSはアプリケーション層、TCPやUDPはトランスポート層、IPはインターネット層に対応します。OSI基本参照モデルの7層を、実装に即して4階層へ集約した体系といえます。
A はHTTP・DNS・IPの層の対応が逆、B はTCP・UDPとイーサネットの層が入れ替わっており、D はTCP/IPを7階層としOSIと1対1に一致するとする点で、いずれも適切ではありません。
Q3. IPアドレス「192.168.10.0/26」のネットワークで、ホストに割り当て可能なアドレス数として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
プレフィックス長が/26のとき、ホスト部のビット数は 32 から 26 を引いた6ビットです。ホスト部6ビットで表せるアドレスは 2 の 6 乗で 64 個ですが、そのうちネットワークアドレス(先頭)とブロードキャストアドレス(末尾)の2個はホストに割り当てられません。したがって割り当て可能なアドレス数は 64 から 2 を引いた62台です。
B はネットワークとブロードキャストを差し引いていない値、C はホスト部7ビット(/25)、D はホスト部8ビット(/24)の場合の値で、いずれも /26 では適切ではありません。
Q4. クラスCのネットワーク「192.168.20.0/24」をサブネットマスク「255.255.255.224」で分割したときの説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
サブネットマスク255.255.255.224の第4オクテット 224 は2進数で 11100000 であり、1のビットが3個増えるため、もとの /24 に対してプレフィックス長は/27になります。サブネット用に追加された3ビットで分割できるサブネット数は 2 の 3 乗で8個です。ホスト部は 32 から 27 を引いた5ビットなので 2 の 5 乗で32個、そこからネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2個を除いた30台がホストに割り当て可能です。
A は /25 相当、B は /26 相当、C はプレフィックス長を /28 と誤っており、いずれも 255.255.255.224 の分割としては適切ではありません。
Q5. ルーティング(経路制御)に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
動的ルーティングは、ルーティングプロトコルを用いてルータどうしが経路情報を交換し、経路表を自動的に更新する方式です。代表的なプロトコルのうちRIPは経由するルータの台数(ホップ数)を指標に、OSPFはリンクの状態(帯域などから求めたコスト)を指標に最適経路を選びます。これに対し管理者が経路を手動設定する方式が静的ルーティングです。
A は静的ルーティングを動的の説明にすり替え、C はRIPとOSPFの指標を逆にしたうえ「完全に同じ」と誤り、D はデフォルトゲートウェイ(宛先が経路表に無いパケットの転送先)の説明が逆で、いずれも適切ではありません。
Q6. トランスポート層のプロトコルであるTCPとUDPの違いの説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
TCP(Transmission Control Protocol)はコネクション型のプロトコルで、3ウェイハンドシェイクで接続を確立し、順序制御や再送による誤り回復を行って信頼性を確保します。UDP(User Datagram Protocol)はコネクションレス型で、これらの制御を省くため低遅延・軽量ですが、到達やデータの順序は保証しません。音声・映像のストリーミングやDNS問い合わせなど、速さを優先する用途でUDPがよく使われます。
B はTCPとUDPの性質を逆に説明し、C は両者をインターネット層のプロトコルとし、D はTCPとUDPの用途を取り違えているため、いずれも適切ではありません。
Q7. 伝送速度100Mビット/秒(bps)の回線で、100Mバイトのデータを伝送するとき、回線の伝送効率を80%とすると、伝送に要する時間としてもっとも適切なものはどれですか?(1バイト=8ビット、1M=10の6乗とする)
回答
解説
正解は「C」です。
まずデータ量をビットに直します。100Mバイトは 100 かける 8 で800Mビットです。回線の公称速度は100Mビット/秒ですが、伝送効率80%を考えると実効速度は 100 かける 0.8 で80Mビット/秒になります。伝送時間は「データ量わる実効速度」なので、800 わる 80 で10秒と求められます。
B は伝送効率を考慮せず 800 わる 100 とした値、A・D は桁や計算の取り違えで、いずれも適切ではありません。伝送効率(オーバーヘッド)を実効速度に反映させるのが応用レベルの計算の要点です。
Q8. ドメイン名とIPアドレスを対応づけるDNS(Domain Name System)の仕組みの説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「D」です。
DNS(Domain Name System)は、人が扱いやすいドメイン名を通信に必要なIPアドレスへ変換する名前解決の仕組みです。ルートサーバを頂点として各ドメインへ管理を委任した階層構造(分散管理)を持ちます。資源レコードのうちAレコードは名前に対応するIPv4アドレスを、MXレコードはそのドメインのメール配送先サーバを示します。
A はIPアドレスをMACアドレスへ変換するARPの説明、B はルーティングプロトコルの説明、C はDNSが分散・階層管理である事実に反するため、いずれも適切ではありません。
Q9. Web通信で使われるHTTPおよびHTTPSの説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
HTTP(HyperText Transfer Protocol)は、WebブラウザとWebサーバの間でWebページなどをやり取りするアプリケーション層のプロトコルで、通常はTCPの80番ポートを使います。HTTPSはHTTPの通信をTLSで暗号化したもので、通常は443番ポートを使い、盗聴や改ざんを防ぎます。
A はHTTPをトランスポート層・経路選択担当とする誤り、C はHTTPSが暗号化しないとする誤り、D はポート番号とプロトコルの対応が誤っているため、いずれも適切ではありません。
Q10. ネットワークの品質を制御するQoS(Quality of Service)に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
QoS(Quality of Service)は、通信の種類や重要度に応じて優先度を付け、帯域の割り当てや遅延を制御する技術です。音声通話やビデオ会議のように遅延・ゆらぎに弱い通信を優先的に扱うことで、回線が混雑(輻輳)したときでも重要な通信の品質を一定に保つことを狙います。優先制御や帯域制御(シェーピングなど)が代表的な手法です。
B は暗号化、D は名前解決(DNS)の説明であり、C はQoSが優先制御を持たないとする点で誤りで、いずれも適切ではありません。
ネットワークの基礎をあわせて確認したい時は、OSI参照モデル・TCP/IPとは や VPNとは も参考になります。