生成AIパスポート 領域2「生成AIの利活用」の練習問題10問です。プロンプトエンジニアリング・LLMのケイパビリティ・業務活用例・ソフトウェア開発での活用・RAG・AIエージェント・活用制限要因・Chain-of-Thoughtの理解度を確認できます。解けなかった問題は、各問の解説末尾のリンクから対応する解説記事に進んでください。
Q1. 「プロンプトエンジニアリング」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
プロンプトエンジニアリング は、生成AIに渡す指示文(プロンプト)を工夫することで、望ましい出力を引き出す手法やノウハウ全般を指します。役割の指定(「あなたは編集者です」)、出力形式の指定(「箇条書きで」)、前提情報の与え方などが代表的なテクニックです。モデル自体を作り直す必要がないため、誰でも今日から取り組めるアプローチです。
A は「ファインチューニング」や「パラメータ調整」に近い説明で、プロンプトの工夫ではありません。C はインフラ側の話で、プロンプトエンジニアリングとは別物です。
Q2. ChatGPT のような対話型生成AI(LLM)が得意とする代表的なタスクとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
ChatGPT に代表される LLM(大規模言語モデル) が得意とするのは、文章生成・要約・翻訳・言い換え・アイデア出し・分類・質問応答といった、自然言語(人間が日常的に使う言葉)を扱う一連のタスクです。これらをまとめて「LLM のケイパビリティ(できること)」と呼びます。
A のような数値予測は、専用の統計モデルや時系列モデルが向いた領域で、LLM の本来の得意分野ではありません。B のような物理的な設備の操作は、産業用ロボットや制御システムの担当で、LLM 単体では行えません。
「言葉で動く万能アシスタント」にたとえると、LLM は言葉に関わる作業を幅広く下書きしてくれる存在に近いイメージです。
Q3. 社員が ChatGPT のような生成AIを日常業務で活用する場面として、もっとも一般的な例はどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
生成AIを業務で活用する一般的な場面は、議事録の要約・メール文面のたたき台作成・文章の校正・アイデア出し・FAQ 回答案の作成 など、文書まわりの下書きや効率化が中心です。最終的な確認は人が行う前提で、初稿づくりの時間を短縮する用途が多く採用されています。
A のように金銭の振込や契約締結を生成AI に直接任せる運用は、誤動作・なりすまし・監査上のリスクが大きく、一般的な業務活用例とは言えません。B のような勤怠打刻の代行も、本人確認の観点から生成AIに任せる場面ではありません。
業務で使うときは、まず文書系の下書きから始め、人間の確認を挟む運用が基本です。
Q4. ソフトウェア開発の現場で生成AIを活用する代表的な使い方として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
ソフトウェア開発での生成AI活用は、自然言語の指示からコードを生成する・書きかけのコードを補完する・コードの意味を説明する・テストコードのたたき台を作る など、開発者の作業を支援する用途が中心です。GitHub Copilot や ChatGPT などの活用が広がり、コードレビューやドキュメント整備にも使われ始めています。
B のように本番デプロイから人間のレビューを完全に外す運用は、安全面・監査面で一般的ではありません。最終的な動作確認やリリース判断は人間が行う前提で、初稿づくり・補助作業に AI を組み込むのが定着している使い方です。C は現実の活用例ではなく、プログラミング言語の置き換えは起きていません。
Q5. 「RAG(Retrieval-Augmented Generation・検索拡張生成)」の説明として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
RAG(Retrieval-Augmented Generation) は、ユーザーの質問に対して関連する文書を社内データやマニュアル等の外部知識ベースから検索(Retrieval)し、検索結果をプロンプトに添えて LLM に回答を生成させる(Generation)仕組みです。社内ナレッジ・規程・製品マニュアルなど、LLM の学習データに含まれない最新情報や独自情報を扱うためによく使われます。
ハルシネーション(事実と異なる回答)を減らしたり、最新情報に追随したりする手段として、企業の生成AI活用で広く採用されています。
A はモデル学習段階のスケーリングの話、C は翻訳ワークフローの話で、いずれも RAG の定義ではありません。
Q6. 「AIエージェント」の特徴として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
AIエージェント は、LLM を中核に目標(ゴール)を受け取り、達成のための計画を立て、必要に応じて外部ツール(検索・コード実行・ファイル操作など)を呼び出しながら、複数ステップで自律的にタスクを進める AI を指します。「調べる → まとめる → 報告する」のように、人間が指示を細かく区切らなくても一連の作業をこなせる点が特徴です。
「言葉で動くアシスタント」にたとえると、単発の質問だけ返す従来の AI より、もう一歩踏み込んで自分でやり方を考え、動いてくれるイメージに近くなります。
A は従来型の単発応答チャットボットの説明、B は画像生成AIの説明で、いずれも AIエージェントの定義そのものではありません。
Q7. 生成AIを業務で活用する際の代表的な制限要因(苦手なこと)として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
生成AIを業務で活用するうえでの代表的な制限要因のひとつが、ハルシネーション(hallucination) です。これはもっともらしい文章で、事実と異なる情報や存在しない情報を生成してしまう現象を指します。学習データの範囲外の最新情報・社内固有情報・正確な数値などを尋ねたときに起きやすく、出力をそのまま正解として鵜呑みにできないという制限につながります。
そのため業務で使うときは、人間が最終確認する・一次資料を参照する・RAG で社内情報を検索させるなどの対策と組み合わせるのが一般的です。
B は事実誤認(多くの主要な生成AIは多言語に対応)、C も誤り(同じ入力でも出力が揺らぐのが LLM の通常の挙動)で、いずれも代表的な制限要因の説明ではありません。
Q8. 生成AIを顧客向けカスタマーサポートに導入するときの利活用上の典型的なメリットとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「B」です。
業界特化応用としてのカスタマーサポート は、生成AI の典型的な利活用領域の一つです。FAQ への一次回答や問い合わせ内容の分類を自動化することで、24時間応対や応答速度の向上、人のサポート担当の負荷軽減が期待できます。
運用面では、複雑な不具合や感情を伴う対応は AI に任せきれないため、最終的な判断や個別案件は人が担うのが一般的です。AIと人の役割分担を設計することが、業務適用の成否を分けます。
A はサポート部門廃止という過度な断定で実態とずれた説明、C は個人情報の外部共有でセキュリティ・法令上の問題があり、いずれも適切なメリットではありません。
Q9. 社内向けに RAG(検索拡張生成)を導入するときの利活用上のメリットとして、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「C」です。
RAG の利活用上のメリットは、社内の規程・マニュアル・FAQ・議事録などの独自情報を、検索結果としてLLMに渡せる点にあります。汎用LLMは学習時点までの一般情報しか持たないため、自社固有の手順や用語に関する質問には答えづらい一方、RAG を組み合わせれば社内QA・ヘルプデスク・問い合わせ初期対応などの実務用途で使いやすくなります。
A は誤り。検索対象のデータを更新しなければ、回答内容も古いままになります。B は前半は正しいものの、後半「データ整備は不要」が誤り。検索対象データの構造化・更新運用が品質を左右します。
導入時は検索データの整備・更新フローとセットで設計するのが基本です。
Q10. AIエージェントを業務自動化に活用する場面として、もっとも適切なものはどれですか?
回答
解説
正解は「A」です。
AIエージェントの業務自動化での活用は、調査・整理・要約・下書き作成といった複数ステップの作業を、自然言語の目標指示から一連の流れで進めてもらう用途が中心です。たとえば「競合3社の最新ニュースを調べて要点を表にまとめる」「議事録から ToDo を抽出して担当者ごとに整理する」など、人がやると時間のかかる手順をまとめて任せられます。
B のような人事評価・採用合否などの重大な最終決定をエージェントに単独で確定させる運用は、公平性・説明責任の観点から推奨されません。最終決定は人が行い、AIエージェントは候補出しや情報整理に活用するのが現実的です。C のように既存の業務システムを丸ごと置き換える運用も、現時点では現実的ではありません。
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