生成AIパスポート 練習問題集

生成AIパスポート リスク・倫理・法務 問題集|過去問形式で8問

生成AIのリスクや法律は、いつ・どんなルールが整ってきたのか。この流れを知らないまま用語だけ覚えると、似た制度名で取り違えてしまいます。生成AIパスポート「リスク・倫理・法務」の練習問題8問に入る前に、関連する制度が整備されてきた時間軸を押さえましょう。技術そのものより「便利な道具を安全に使うための約束ごと」を問う、合否を分けやすい得点源です。

 

守るべき一線 — 生成AIをめぐるルールの整備史

生成AIに関わる法・ガイドラインが整備されてきた流れを年表で整理するイメージ

この分野の用語は、「いつ・何のために作られたルールか」という時間軸に並べると整理できます。あなたが押さえるべき制度の流れは、次のとおりです。

2003年:個人情報保護法が成立(2005年に全面施行)。個人データの適正な取り扱いを企業に義務づける法律で、生成AIに個人情報を入力する場面の土台になります。2022年に施行された改正では、漏えい時の報告義務などが強化されました。
2019年:改正著作権法(第30条の4)が施行。情報解析(AIの学習を含む)のための著作物の利用を、一定の条件で認めるものです。ただし、生成物が既存の著作物に依拠して類似する場合は権利侵害になりうるため、扱いには注意が必要です。
2023年:G7が「広島AIプロセス」を主導。生成AIに関する国際的な指針づくりを進めました。
2024年4月:総務省・経済産業省が「AI事業者ガイドライン」を公表。従来の複数の指針を統合し、AIを開発・提供・利用する各立場に求められる事項を整理したものです。
2024年:EUが「AI規則(EU AI Act)」を成立。AIをリスクの高さに応じて分類し、規制する枠組みを定めました。

 

受託開発で15年以上お客様のデータを扱ってきた立場からいうと、実務ではこの時間軸の全部を暗記するより、「機密情報や個人情報を安易に入力しない」という一線をまず守ることが要になります。制度の目的を流れで理解しておくと、法務系の「言い過ぎ選択肢」を落ち着いて見分けられます。それでは、8問で勘どころを確かめましょう。

 

生成AIを安全に使う対策(優先順)
1. 機密情報・個人情報を入力しない … 学習や外部送信で漏えいするリスクを断つ、最優先の一線。
2. 生成物の事実確認 … ハルシネーション(もっともらしい誤り)をそのまま使わない。
3. 著作権の確認 … 生成物が既存の著作物に似ていないかを確かめる。
4. 社内ルールの整備 … ガイドラインに沿って、使ってよい範囲を組織で決めておく。

 

Q1. 生成 AI のハルシネーションの説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「B」です。

ハルシネーションは、生成 AI が事実とは異なる内容を、もっともらしく生成してしまう現象を指します。文章として自然に見えても内容が正しいとは限らないため、重要な情報は人が裏取りすることが大切です。自信たっぷりに語る伝聞をうのみにしない、という姿勢に近いといえます。

A は翻訳、C は高解像度化、D は通信の遅延という説明で、いずれも誤った内容を生成する現象とは異なるため誤りです。

ハルシネーションとはを見る

 

Q2. プロンプトインジェクションの説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「A」です。

プロンプトインジェクションは、悪意ある指示を入力やデータに紛れ込ませ、本来与えられた指示を無視させたり、想定外の動作をさせたりする攻撃です。生成 AI を組み込んだサービスでは注意すべきリスクの一つです。注文票にこっそり別の依頼を書き足すような行為にたとえられます。

B の翻訳機能、C の速度最適化は、いずれも攻撃手法であるプロンプトインジェクションの説明とは異なるため誤りです。

プロンプトインジェクションとはを見る

 

Q3. AI のバイアス(偏り)の説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「D」です。

AI のバイアス(偏り)は、学習データの偏りなどを反映して、出力が特定の属性や立場に対して不公平な傾向を示してしまうことを指します。気づかないまま使うと差別的な結果につながるおそれがあるため、結果の確認や是正が重要です。元になった資料の偏りが、答えに映り込んでしまうイメージです。

A の高速化、B の色補正、C の文字数調整は、いずれも出力の不公平な傾向とは関係がないため誤りです。

AI バイアスとはを見る

 

Q4. 生成 AI と著作権に関する一般的な考え方として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「C」です。

生成 AI と著作権については、既存の著作物と類似する出力などで権利侵害が問題になり得るため、利用には注意が必要です。文化庁などが考え方の整理を公表しており、扱いは状況によって異なります。安易に「自由に使える」と考えず、用途に応じて確認する姿勢が無難です。

A の無条件で自由、B の権利が無関係になるという説明は、いずれも断定が過ぎ、実際の整理とは合わないため誤りです。具体的な判断が必要な場合は、文化庁などの公表情報を確認し、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

生成 AI と著作権とはを見る

 

Q5. 生成 AI に機密情報や個人情報を入力する際の考え方として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「A」です。

生成 AI に入力した情報は、サービスによっては外部に保存・利用される可能性があります。そのため、機密情報や個人情報の入力には注意が必要で、社内ルールや利用規約の確認が大切です。個人情報の取り扱いについては、個人情報保護委員会が注意喚起などを行っています。

B の「外部に出ない」、C の「法令の対象外」、D の「自由に入力してよい」は、いずれも断定が過ぎて実情と合わないため誤りです。判断に迷う場合は、所属組織の規程を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

生成 AI と機密情報とはを見る

 

Q6. ハルシネーションへの対策として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「B」です。

ハルシネーションへの対策として有効なのは、重要な情報を一次資料などで裏取りし、出典の確認や人によるチェックを行うことです。出力を出発点として扱い、最終確認は人が担うと安心です。下書きをもらってから事実関係を確かめる、という流れに近いといえます。

A の無確認での利用、C の速度で正しさを判断する考え方は、いずれも誤りを見逃しやすく対策とはいえないため誤りです。

ハルシネーションとはを見る

 

Q7. AI 倫理と公平性に関する考え方として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「C」です。

AI 倫理では、出力が特定の人々に不利益を与えないよう、公平性や透明性に配慮することが重要です。バイアスの確認や、判断根拠を説明できるようにする工夫などが議論されています。便利さだけでなく、誰かを不当に扱っていないかに目を向ける姿勢が求められます。

A の「考えなくてよい」、B の「差別につながらない」という説明は、バイアスのリスクを踏まえると実態と合わないため、いずれも誤りです。

AI バイアスとはを見る

 

Q8. AI ガバナンスや規制動向に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「D」です。

AI ガバナンスは、AI を適切に管理・統制する取り組みを指します。ルールやガイドラインは各国・各機関で整備が進められている段階で、内容は変わり得ます。企業では、社内ルールや管理体制を整える動きが広がっています。新しい乗り物の交通ルールが少しずつ作られていく過程に似ています。

A の「完全に統一・不変」、B の「管理は不要」、C の「処理速度を上げる技術」は、いずれもガバナンスの説明として誤りです。

生成 AI と機密情報とはを見る

 

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