応用情報技術者 模擬試験

応用情報技術者 午前 システム戦略・システム企画問題10問|解説つき

RFIとRFPはどう違うの。BPRとBPMの線引きが曖昧。KPIとKGIはどっちが「目標」だっけ。システム戦略の用語で、こんなふうに混乱したことはありませんか。

結論から言えば、システム戦略・システム企画は「似た略語の使い分けを整理すれば確実に取れる分野」です。応用情報技術者試験の午前では、ストラテジ系の出題としてこの分野から毎回数問が問われます。午後でも経営戦略やシステム企画を題材にした選択問題が出るため、午前で「誰が・いつ・何のために行う活動か」をつかんでおくと、午後の事例の流れが読みやすくなります。経営戦略と情報システムをつなぐ、いわばIT活用の入口にあたる分野です。

頻出テーマは、情報システム戦略と経営戦略の整合エンタープライズアーキテクチャ(EA)業務改革(BPR)と業務プロセス管理(BPM)、業務のモデリング、ソリューションビジネスとクラウド活用、システム化計画、要件定義、調達(RFI・RFP・RFQ)、共通フレーム、投資評価(KPI・KGI・BSC)です。つまずきやすいのは、調達手続きRFI→RFP→RFQの順序と目的の違い、そしてKGI(最終目標)とKPI(途中の指標)の関係です。略語を丸暗記するのではなく、「業務改革の流れのどこに位置する活動か」で結びつけると迷いません。1問ずつ確かめていきましょう。

応用情報レベルで問われやすいテーマを10問に集めました。つまずいた問題は、各設問の解説にあるリンクからシステム戦略の関連記事を開いて理解を埋めましょう。

 

Q1. 情報システム戦略の位置づけに関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「B」です。

情報システム戦略は、経営戦略を実現するために情報技術(IT)をどのように活用していくかを示す中長期の方針です。経営戦略から導かれるものであり、両者の整合(アライメント)をとることが大前提になります。整合がとれていないと、投資した情報システムが事業の方向性に貢献しないという事態を招きます。

A は経営戦略との整合を不要とする誤り、C は機器の調達リストと混同した誤り、D は開発工程の作業標準と取り違えた誤りであるため、いずれも適切ではありません。

DXとはを見る

 

Q2. エンタープライズアーキテクチャ(EA)を構成する4つの体系の組合せとして、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「C」です。

エンタープライズアーキテクチャ(EA)は、組織全体の業務と情報システムを統一した観点で最適化するための方法論です。ビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジの4つの体系(アーキテクチャ)で整理します。ビジネスは業務や機能、データは扱う情報、アプリケーションは業務を支える機能群、テクノロジは基盤となる技術や設備を表し、4層を一貫させて全体最適を図ります。

A・B・D はいずれもEAの4体系として定義されたものではないため、適切ではありません。

 

Q3. 業務改革(BPR)と業務プロセス管理(BPM)に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「A」です。

BPR(Business Process Reengineering)は、既存の業務プロセスを抜本的に見直し、ゼロベースで再設計する取り組みです。これに対しBPM(Business Process Management)は、業務プロセスを継続的にモニタリングし、分析・改善を繰り返して回し続ける管理手法です。BPRが「一度の大きな作り直し」、BPMが「回し続ける改善サイクル」と整理すると分かりやすいです。ワークフローシステムは、申請や承認などの業務の流れを電子化して回す仕組みで、BPMを支える道具になります。

B はBPRを単なる現行業務の自動化とする誤り、C はBPMを一度きりの再設計とする誤り、D はワークフローを通信経路の最適化と取り違えた誤りであるため、いずれも適切ではありません。

 

Q4. 業務のモデリングで使う図法(DFD・業務フロー図・E-R図)の用途に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「D」です。

業務のモデリングでは、目的に応じて図法を使い分けます。DFD(データフロー図)はデータの流れと処理(プロセス)の関係に着目した図、業務フロー図は担当者や部門ごとの作業の流れと順序に着目した図、E-R図はデータの実体(エンティティ)どうしの関連と多重度(1対多など)に着目した図です。「データの流れ=DFD」「人の作業の流れ=業務フロー図」「データの構造=E-R図」と整理できます。

A・B・C はいずれも各図法の用途を取り違えているため、適切ではありません。

 

Q5. クラウドサービスのSaaS・PaaS・IaaSと利用者・事業者の責任分界に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「B」です。

クラウドサービスは、事業者が用意する範囲によって責任分界が変わります。IaaSは仮想サーバやストレージなどの基盤を提供し、利用者はOSから上を管理します。PaaSはOSやミドルウェアまで事業者が用意し、利用者はアプリケーション開発に専念できます。SaaSは完成したアプリケーションを利用者がそのまま使います。上位のサービス(IaaS→PaaS→SaaS)になるほど、利用者が管理する範囲は小さくなります。

A はIaaSの管理範囲を誤った説明、C はSaaSの管理範囲を最大とする逆の説明、D は3形態の責任分界が同じとする誤りであるため、いずれも適切ではありません。

SaaS/PaaS/IaaSとはを見る

 

Q6. システム化計画の策定に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「C」です。

システム化計画は、情報システム戦略を受けて、システム化の対象範囲・スケジュール・概算費用・期待する効果などを定める計画です。各部門の個別最適に偏らず、組織全体の全体最適を踏まえて立てること、そして投じる費用に見合う効果があるかを投資対効果(費用対効果)として評価することが重要です。これにより、効果の薄い投資を避けて優先順位を判断できます。

A は全体最適を無視する誤り、B は効果や投資対効果を評価しないとする誤り、D は運用段階の障害分析文書と取り違えた誤りであるため、いずれも適切ではありません。

 

Q7. 要件定義における機能要件と非機能要件の区別として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「A」です。

機能要件は、システムが「何をするか」という業務上必要な機能(受注を登録する、在庫を照会するなど)を表します。一方非機能要件は、それを「どの程度の品質で実現するか」を表し、性能(応答時間・処理件数)、可用性、セキュリティ、運用性、拡張性などが含まれます。機能要件だけを決めて非機能要件をあいまいにすると、動くけれど遅い・止まりやすいシステムになりがちで、要件定義では両方を明確にすることが重要です。

B は機能要件と非機能要件の説明が逆、C は性能や運用の要件を除外する誤り、D は非機能要件を開発側の事情に限定する誤りであるため、いずれも適切ではありません。

 

Q8. システム調達で用いるRFI・RFP・RFQの使い分けとして、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「D」です。

調達では、段階に応じて依頼文書を使い分けます。RFI(情報提供依頼書)は、ベンダに技術や製品の情報提供を求める文書で、調達の初期に候補や実現性を把握するために使います。RFP(提案依頼書)は、こちらの要件を示してシステムの具体的な提案を求める文書です。RFQ(見積依頼書)は、仕様がほぼ固まった案件で価格や納期の見積りを求める文書です。「情報→提案→見積り」の順で詳細化していくと整理できます。

A はRFIとRFPの説明が逆でRFQも誤り、B は使い分けがないとする誤り、C は3つとも別物と取り違えた誤りであるため、いずれも適切ではありません。

RFPとシステム調達とはを見る

 

Q9. 共通フレーム(SLCP)と、それを踏まえた調達・契約の流れに関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「B」です。

共通フレーム(SLCP:ソフトウェアライフサイクルプロセス)は、ソフトウェアの企画・要件定義・開発・運用・保守といったライフサイクル全体で必要となる作業や役割を、共通の用語と体系で示した枠組みです。発注者と受注者が同じ物差しで会話できるため、どこまでが誰の作業かという調達・契約の範囲を明確にしやすくなります。これにより、認識のずれによる手戻りやトラブルを減らせます。

A は開発言語の文法規約と取り違えた誤り、C は障害対応手順に限定する誤り、D は作業範囲を曖昧にしたまま契約できるとする誤りであるため、いずれも適切ではありません。

 

Q10. 情報システム投資の評価で用いるKPI・KGI・バランススコアカード(BSC)に関する説明として、もっとも適切なものはどれですか?

回答

解説

正解は「C」です。

KGI(重要目標達成指標)は、最終的に達成すべき目標(ゴール)を表す指標です。KPI(重要業績評価指標)は、そのゴールに至る過程の達成度を測る中間指標で、KGIへ向かう進捗を日々チェックするために使います。バランススコアカード(BSC)は、業績を財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの視点からバランスよくとらえ、それぞれに目標と指標を設定する手法です。財務だけに偏らず、非財務の視点も含めて評価できる点が特徴です。

A はKGIとKPIの説明が逆でBSCと無関係とする誤り、B は非財務の視点を除外する誤り、D はBSCを財務の視点だけとする誤りであるため、いずれも適切ではありません。

 

システム戦略まわりの用語をあらためて確認したい時は、DXとはクラウドコンピューティングとはSaaS/PaaS/IaaSとは も参考になります。